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ウメ子の最近のブログ記事

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☆ウメ子物語は、前編・後編に分かれているよ!
前編をまだ読んでいない人は、このページを下に下がると前編があるから、
そちらから読んでみてね~!





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「クラル・レオポルト・クリスティアーノ・ジョアンニ・サブリナ・・・」
 オカンは町内会長からわたされた手紙に書かれた名前を読みながら、
何度も舌をかみそうになった。
「なんやねん、それ・・・」
 ウメ子はどでっと寝転がって、草餅をほおばりながら言う。
「そやから、もう半分の星を持ったモグラの名前や。
それにしても、えらい長い名前やなあ。覚えられへんわ」
 オカンは何度も手紙の文字に目をやった。
そして、ゴッホンと咳をすると、いよいよウメ子をその気にさせる作戦を開始する。
「とにかくウメ子、ぼやぼやしてられへんで。
このクラル・レオ・・・、レオ・・・、レオポルト・クリス・・・、クリスティアーノ・・・、
ええい、めんどうや。つまりやな、このクラルどうしたこうしたはやな、
ウメ子と同じ日に生まれて、同い年だっちゅうのに、えらいかしこうて、
運動神経ばつぐんな上、よう気がつく。おまけにスマートで美人だっちゅう話やで」
「それがどないしたん? そのクラ・・・、クラ・・・、なんちゃらアーノっちゅう子が
かしこいからっちゅうて、うちになんの関係があるんや。しっかりしてえな、オカン」
 ウメ子はあきれたように鼻で笑った。オカンは少しむっとして言い返す。
「何言うてんねん、ウメ子。関係、大ありや。なんちゅうっても、ウメ子とクラルなんちゃらはな、
二人で一つになる星を持って生まれたんやで。
言ってみれば、あんたらは姉妹か双子っちゅうてもええくらいの深ーい関係なんや。
これからは、二人そろうて、青い星を持った姫さんにおつかえするんやから」
「うちは、おつかえなんてせえへんで。青い星だか白い星だか知らんけど、
そんなん勝手に決めんといてほしいわ。うちの人生はうちのもんやで」umeko03.gif
「そうか・・・。そういうことかいな。ようわかった・・・」
 オカンはいやみっぽく言った。そばでオトンがはらはらして聞いている。
「何がわかったんや」
 ウメ子は少し不安げな表情になる。
「いやいや、まあ、どうでもええことやけど、
これからはクラルなんちゃらがモグラ界のプリンセス、
モグラ界のアイドル、モグラ界の永遠のヒロインとなるんやなあって思うただけや」
「どういうことやねん、オカン。青い星を持った人におつかえしたら、
それだけでモグラ界のプリンセスになれるっちゅうこと?」
「そういうこっちゃ。そらもう、ぎょうさん、青い星を持った人の伝説やら言い伝えが残ってるくらいからな。
その人におつかえするモグラが、モグラ界のヒロインにならんで、
誰がなるんや。あんたをいじめたキクオなんぞ、すぐさまひれふすで」
「ほんまか?」
 ウメ子は身を乗り出してきた。
「ほんまや、ほんまや。あんたさえその気になれば、キクオどころか、
この宇宙中のモグラがひれふすっちゅうもんや。なあ、オトン」
 オカンはオトンに目くばせをした。
「そ、そや。オカンの言うとおりやで。
ウメなら、さぞ、クラクラなんとか以上のヒロインになるで。決まりや!」
 オトンもこぶしをにぎりしめる。
「うち・・・、やるで。クラルなんちゃらアーノには負けへんで!」
 ウメ子は丸太のような体をふるわせて言った。



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「ひえーー! 無理や無理や!むちゃくちゃや!」
 修行が始まると、ウメ子はなんども悲鳴をあげる。
 まずはダイエットのために、腹筋100回、鉄棒でケンスイを三十回、平均台歩き100往復。
 おまけに食事の量はぐんと減らされ、おやつは禁止。
「オトンもオカンも、うちを殺す気か!」
 わめくウメ子に、オカンはにやりとする。
「あんたがいやなら、やめてもええで。オトンもオカンもちーっともかまへん。
ただなあ、今ごろクラルなんちゃらは、もう特訓してるっちゅうことやけどなあ。
まあ、ウメ子には無理かもしれんな」
「クラルなんちゃらアーノなんて、うちはもうどうでもええ。
こんなにしんどい思いをするくらいなら、モグラ界のプリンセスなんかにならんでもええわ」

 ウメ子ははあとため息をつき、その場にへたりこんだ。

そのとき、向こうからキクオを中心としたいじめっこグループの、
ハスノスケ、ツツジノジョウ、モモタロウなどが近づいてきた。
「おい、ハンパモンのウメ子、ちょっと見んあいだに、えらいデブになったやん」
 すぐさまキクオがからかう。モモタロウが続けた。
「デブになったら、前よりブスになったんとちゃうか?」
「やーい、やーい、デブでブスのハンパモーン!」
 ハスノスケとツツジノジョウがひやかした。助け舟を出そうとしたオトンを、オカンが引き止める。
「まあ、ウメ子がどうするか、しっかり見てまひょ」
 オカンがこっそりオトンにささやいたとき、
「うちは、ハンパモンとちゃうで!」
 へたりこんでいたウメ子が、むっくりと起き上がった。
「うちにはな、もう半分の星を持つ、えらい美人で頭のええ相棒(あいぼう)がおったんや。
その子はなあ、今ごろ宇宙で修行してんねん。うちも今、修行中や。
二人が合体したらな、えらいことになるんやで。
うちら、今にモグラ界のプリンセスになるさかいに、見とってや」

「ふんっ。うそつくんやないで、ウメ子。おまえがプリンセスなら、モグラ界は全滅やーー」
 キクオがせせら笑うと、ほかの三人もにやにやしながら、
「デブでブスの、ハンパモンがよう言うわ」
 と歌を歌うように言った。
「うそやない。うそやないもん・・・」
 涙をこぼさないように、ぐっとこぶしをにぎりしめてウメ子は答えた。
 キクオたちが去っていくと、ウメ子はすぐに鉄棒にぶら下がった。
「一・・・、二・・・、三・・・、四・・・」
 ウメ子は自分で回数を数えながら、汗まみれになってくりかえす。
「あっ、ああーー!」umeko04.gif
 鉄棒から手がすべり落ちる。ウメ子は地面にどしんと落ちた。
けれど、すぐに立ち上がり、ふたたび鉄棒に飛びついていく。
「一・・・、二・・・、三・・・」
 重い体が鉄棒にぶらさがった姿は、
市場につるされたブタの丸焼きみたいだったが、
オトンとオカンは涙ぐみながら見守っていた。


 こうして三日が過ぎ、一週間が過ぎ、一ヶ月になろうとしていたころには、
ユリオをはじめとする大勢のイトコやハトコたちも集まり、
ウメ子の修行を応援するようになっていた。
「がんばれー、ウメ子!」
「やったー、100回だっ!」
 ウメ子は少しずつやせていき、そのぶん動きも軽やかになり、
腹筋100回も、ケンスイ三十回も、平均台の100往復もこなせるようになっていた。
「ようやった。ウメ子、えらいぞ! ほんなら次は、あそこに見える梅の木から、
向こうの桜の木まで、地面を掘ってみ」
 オトンが新たな課題を与えた。ざっと見ても、その距離は一キロ近くはある。
 ウメ子は内心げんなりしたが、目標を達成する喜びを思い出した。
ウメ子はそもそも、生まれてから一度も目標を持つとか、目標に向かってチャレンジするとか、
そうしたことを考えることさえなかったのだ。
「よっしゃ、オトン。やったるで!」
 ウメ子は背中をしゃきんと伸ばして言うと、梅の木の下の地面を掘り始める。
 それはただただ土を掘り続けるだけの、単調で疲れるだけの作業だった。
 途中、何度も、ウメ子は、「あほくさ!」とつぶやき、よほど引き返そうかと思った。
「そやけど、ここで引き返したら、今までの努力が水のあわや・・・」
 ウメ子はそのたびに思い直し、また必死に掘り進めていく。
進むほどに、大きな石が現れて行く先をふさいだり、
太い木の根が網(あ
み)のようにはりめぐらされて、ウメ子自身がからまりそうにもなった。
そのたびに涙が出そうになったし、ときには気絶しそうになった。
「もういやや。なんでこんなにえらい目にあわなならんの・・・」
 何度かあきらめかけもした。
「けどなあ、クラルなんちゃらアーノもがんばってるんやもんなあ。
ここであきらめたら、おしまいやな」

 そう自分に言い聞かせて、ウメ子はまた掘り進めた。

 朝の九時すぎから掘り始めたウメ子が、ようやく桜の木の下の地面から、
真っ黒になった顔を出したのは、午後の三時近くになっていた。
かれこれ六時間近くも掘り続けていたことになる。
「やったぜ、ウメ子!」
 ユリオが叫ぶと、イトコやハトコたちもいっせいに飛び上がって喜ぶ。
「えらいで、ウメよ。ようがんばったな。ほんまにえらい!」
 オトンが涙で顔をくしゃくしゃにしながら言い、ウメ子を地面から引っ張りあげる。
「ウメ子、オカンもあんたには負けたで。ほんま、ようがんばったなあ」
 オカンはウメ子の頭をなでながらやさしく言うと、草餅とお茶をわたした。
「ありがとうなあ・・・」
 ウメ子は珍しく素直に言うと、草餅にかぶりつく。すると――
「すごいやん・・・」
 イトコたちの後ろにいたキクオが現れ、ぼそっと言った。
「ほんまや。ウメ子以外のだれも、こんなことやりのけたもんはおらん」
 モモタロウもまじめな顔で言う。ツツジノジョウやハスノスケも、
「もしもウメ子がモグラ界のプリンセスになったら、家来(けらい)にしてや」
ともじもじしながら言った。
「まかしといて。今すぐにでも、家来にしたるで」
 ウメ子が得意げに答えたので、みんなは大笑いをした。


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こうしてウメ子の修行は続き、冬が近づいてきたころ、ウメ子に声が聞こえてきた。
「ウメ子? ウメ子?」
「は、はいな・・・」
 テレパシーを受けることなど初めてだったウメ子は、あせって答える。
「わたし、クラル・レオポルト・クリスティアーノ・ジョアンニ・サブリナ」
「はあ・・・、あんさんが・・・」
「そうよ。わたし、とうとう地球にやってきたの。
青き星を持ったパセリ様はもう一年も前から、北海道にいらしてたんですって。
わたし、ちっとも知らなくて、遅くなってごめんなさい」
「あの・・・、クラルなんちゃらアーノ、えーと、なんちゃらかんちゃら・・・」
 ウメ子が舌をかみながら言うと、笑い声のあとに、
「クリスティアーノでいいわ」
という返事が返ってきた。
「あの、それで今、どこにおるねん?」
「北海道です。でも、どうもパセリ様はどこかにお発ちになったみたいなの。
困ったわ。ウメ子もすぐに来てちょうだい」
 クリスティアーノはてきぱきと言った。
「す、すぐにって言われても、うち、北海道がどこにあるかも知らんし、
どうやって行けばええのかもわからへん」

 ウメ子は完全にクリスティアーノに圧倒されている。
「調べるのよ!」
 クリスティアーノは声を大きくして言った。
「はっ?」
「地図とか、ガイドブックとか持ってないの?」
「なんやねん、それ」
「しっかりして、ウメ子。もしかしたらパセリ様には今、危険なことが起こってるのかも
しれないわ。こんなときこそお役に立たなければ・・・」
「と言われても・・・」
 ウメ子はたじたじになっている。
「とにかく一週間以内に北海道に来てちょうだい。わたしがテレパシーで案内するから、
心配しないで。いいわね」
 クリスティアーノは言うと、一方的にテレパシーは途絶えた。
「北海道? 地図? ガイドブック? 一週間以内? テレパシー? 」
 ウメ子は首をひねりながらつぶやくと、大声をあげた。
「なんのこっちゃ、さっぱりわからへーーん!」


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パセリ伝説番外編、第三弾、ウメ子物語はどうだったかな?

感想は、ぜひ、この最新刊ニュースのコメント欄でみんなで語り合ってね~!
メールBOXから送ってくれるのも、待ってるよ☆

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  ウメ子が生まれたとき、長い間子供ができなかったオトンとオカンは大喜びをした。
ただ、生まれたばかりのウメ子の背中の右下のあたりにある、星が半分かけたような形の
もようには首をかしげた。
「このもようは何なんやろ・・・」
  オトンは毎日、背中のもようを見つめては、考え込んだ。
「アザとちゃいます?」
  オカンは不安そうにたずねる。
  オトンはとんでもないというふうに、ぶるぶるっと強く顔を横にふった。
「アザやったら、えらいこちゃや。女の子やさかい、ケチがついたら、
  嫁のもらい手がのうなってまうで」
  オトンとオカンはさんざん心配したが、ウメ子が大きくなるにつれ、もようのことはしだいに
忘れていった。



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一人っ子のウメ子は、オトンとオカンの愛をどっぷりと浴びて、のびのび育ち、
かなりのおてんば娘になっていた。
「おばちゃん、またウメ子が地上に出て、木にのぼってまっせー」
  大勢いるイトコやハトコたちが、毎日ウメ子のオカンに言いつけにくる。
実は、オカンがウメ子の様子を知らせるように、親戚中にたのんでおいたのだ。


「またかいな。モグラが木にのぼるなんぞ、聞いたこともあらへん」
 オカンはかんかんになって、ウメ子を連れ戻しに行こうとする。
「まあ、ええやないか。子供は元気なのがいちばんや。
  そんなにカリカリせんでも、ウメの好きなようにさせてやり」
 オトンはのんきにかまえている。
「そやかて、あんた、このあいだもウメ子は、木の上から犬に向かって木枝を投げて、
  それが命中したもんやから、犬にきつう吠えられて、木から下りるに下りられんように
  なったやないですか」
 むきになって言うオカンにも、オトンはにやにやしているばかりだ。
「まったくウメ子がウメ子なら、あんたもあんたや」
 オカンがぶつぶつ言いながら出かけようとしたとき、土まみれになったウメ子が
泣きじゃくりながら帰ってきた。
「どないしたんや、ウメ子。まさか、木から落ちたんか?」
 たずねるオカンにも、ウメ子は答えず泣いてばかりいる。すぐさまオトンが飛んできた。
「おお、おお、かわいそうにな、ウメよ。さっ、オトンに話してみ」
 オトンがなだめてもすかしても、ウメ子は泣きやまない。


そこへ、イトコのユリオがやってきて告げた。umeko02.gif
「ウメ子が木から下りてきたところに、いじめっこグループのキクオたちがやってきて、
  ウメ子のことをからかってん。ハンパモンっちゅうて」
「ハンパモンってなんや?」
 オトンがたずねる。
「ウメ子の背中のもようが、星半分だからだって・・・」
 ユリオが答えると、オトンは顔を真っ赤にして言う。
「それがどないしたっちゅうんや。ウメよ、めそめそしてないで、言い返してき」
「ウメ子のことだから、口では負けてへん。キクオたちのことをののしったり、けなしたり、
  あげくのはては、つば吐きかけたり。そらもう、めちゃめちゃやり返してん」
 ユリオは説明する。
「けど、キクオたち、めっちゃ怒ってしもうてな。あやまらそうとして、
  ウメ子を突き倒したり、蹴とばしたりしたんやわ。おれも、加勢に入ったんやけど、
  相手は五匹やで。無理っちゅうもんや」
 ユリオはそのときにすりむいた額の傷に手をやり、くやしそうに唇をかむ。
「それで、ウメ子はあやまったんやろな」
 オカンがギロリとウメ子を見た。
「あやまらへん! うち、なにも悪いことしてへん。そやから、ぜったいにあやまらへんわ!」
 泣きながら、ウメ子は答える。
「よう言うた、ウメよ。それでこそオトンの子や」
 満足そうにオトンがうなずく。
「そやけど、おじちゃん。キクオたち、これから、もっとひどいことするでぇ。
  ぜったいにあやまらせたるっちゅうてたからな」
 ユリオは完全におびえている。ウメ子は泣きべそをかく。
「オトン、うち、こわいわ。キクオたち、今度会うたら、何するかわからへん。
  うちみたいなか弱き女の子をいじめるなんて、ひどいやん。
  うち、うち・・・、おそろしゅうて外にでられへん」

「か、か弱き・・・、なあ・・・」
 オトンはかすかに首をかしげる。ウメ子はきっと目をつりあげ、宣言するように言った。
「とにかくオトン、うち、もう外には出えへん。ぜったいに出えへんで!」
「おお、おお、ウメよ。わかってたで。かわいそうになあ。ハンパモンなんやちゅうて
  言われて、外に出るこたないで」
 オトンも引き受けた。


 その日から、ウメ子の引きこもり生活がはじまった。
オトンはもとより、オカンも、傷ついたウメ子をたいそう大切にあつかった。
そのせいで、ウメ子は、右のものを左に動かすことさえしないくらい横着(おうちゃく)に
なっていった。おまけに、どんどんわがままになっていく。
「ちょっと、オカン、おやつ、持ってきてえな」
「あんた、さっき食べたばかりやで。そうやって食っちゃ寝、食っちゃ寝してるから、
  見てみぃ、ぶくぶく太ってきたやないの」
 オカンは、ウメ子のだぶついた背中の肉をつまんだ。
「そんなん、かまへん。はよう、おやつ、持ってきてえな」
「食べたかったら、自分で持ってきなはれ!」
 オカンはいいかげん頭にきて、きびしく言った。すると、ウメ子は両手で顔をおおい、
泣きまねをしながら言う。
「うちは悲しいわ。外に出たらいじめられ、うちの中では叱られて・・・」
 こんな調子で、ウメ子は誰の言うことも聞かなくなり、体も丸太のようになっていった。
「あかん、甘やかしすぎたわ・・・」
 さすがのオトンも反省する。
「そうやで。これじゃあ、モグラ社会を生きていかれへん」
 オカンも頭を抱え込んだ。
「どうしたらええんやろ」
 悩んでいる間にも、ウメ子の声が響く。
「オトンかオカン、のどがかわいたでー。ジュースかなんか持ってきてえな」
 オトンとオカンは思わず顔を見合わせ、ため息をついた。



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こうして数ヶ月が過ぎた。
 オトンとオカンはあの手この手でウメ子を鍛えなおそうとするが、横着が身につき、
ぶくぶく太ってしまったウメ子は、まったく動く気配すらない。
  ほとほと困り果てていたオトンとオカンの元に、ふいにモグラ界の町内会長がやってきた。
白いひげをはやした町内会長は、ごっほんと咳をすると、オトンとオカンの前でうやうやしく
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「な、なんちゅうことを・・・」
 オトンはおどろき、あわてておじぎをし返した。
「いやいやいや、ほんまにもう、知らぬこととはいえ、長い間失礼しましたなあ」
 町内会長はあくまでていねいに言う。
「はっ?」
 オトンとオカンはぽかんと口を開けた。何のことやら、さっぱりわからない。
「実は、わたしのところに、遠い宇宙を超えて、ある手紙が届いてんねん」
「手紙?」
「そや。手紙や」
 町内会長は風呂敷に包んで持ってきた手紙をオトンたちの前に広げた。
オトンとオカンは手紙に顔をくっつけるようにして読み始める。
「ふむふむふむ・・・」
「えっ?」
「あれえーーーー!」
「ほんまかいな」

 オトンとオカンはさまざまに声をあげながら手紙を読み終えると、まじまじと町内会長を見た。
「つ、つまり、うちのウ、ウメが、ここに書かれている、その、つまり、偉大なる、
  青き星を持った方に、つかえる者であるということでっか?」
「そや。わたしらモグラ界でも、さまざまな伝説や言い伝えが残っておったが、
  まさか、ここのウメちゃんが・・・」
 町内会長はしみじみと言い、目を細めた。
「で、もう一匹のかたわれっちゅうモグラは、今どこに?」
 オトンはたずねる。
「まだ、ラ・メール星で修行中らしいで。二匹が顔を合わせるまでに、早いとこ、
  ウメちゃんにも話して、みっちり修行させなあかんで。ウメちゃんが活躍したら、
  この町内会のことも語り継がれることになるんやからな」
「うちのウメ子が、伝説のモグラになる・・・」
 オカンが夢見るようにつぶやく。
「こりゃオトン、ウメ子を鍛えなおすにも、ええチャンスや。がんばりまひょ。
  そやな、まずはダイエットからや」
「う、うん。そやな。伝説の何のっちゅうても、今のウメでは、まったくあかーん!」
 オトンも決意をこめて言った。
 

  けれど、もちろん事はかんたんにはいかない。オトンとオカンから話をされたウメ子は、
せんべいをバリバリ食べながら、ひと言答える。
「寝ぼけたこと、言わんといて!」
 
オトンとオカンはその夜、遅くまで話し合った。何とかしてウメ子を“その気”にさせる
方法はないだろうか、と・・・。
「そや!」
 オカンがぽんと手をうった。オトンがはっとオカンを見る。
「ありましたで、オトン。ウメ子をその気にさせる方法が・・・」
 オカンはにやりとして言うと、ウヒヒヒ・・・と不気味に笑った。




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ウメ子物語 後編へつづく・・・・

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