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2009年2月バックナンバー

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「名前は?」

「コウヤ……。正式には、フォン・ハー・コウヤ……。」

 
光矢は答えると、はっと顔を上げた。となりでは、秀人が苦しげな表情であらい息をはきだしている。

「秀人、秀人、しっかりしろ、秀人!俺たち、ノイ国に着いたんだぞ!」

 
光矢は秀人に声をかける。秀人はまだ意識がもどらないようだ。

「この子もアクア国の者なのか?」

 
医者はたずねる。

「あっ、そ、そうです!」

「とにかく、すぐに運ぼう。急いで手当てをせんと、この子は助かるかどうか……。」

 
秀人を見やりながら、医者は言った。

「お願いしますっ。どうか、こいつを助けてくださいっ。」

 
光矢は医者にすがりつくようにして言った。









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レンゲは眉をひそめ、

「それより、ずいぶんえらそうな言い方をするじゃない。なにさまだと思ってるの?」

  低く、しわがれた声で言いかえす。

「えっ?」

「わかんなきゃ、わからせてあげる!」


  レンゲはさけぶと、いきなり机の上にあったペンケースを投げつける。

それはパセリの額に命中し、中から鉛筆や消しゴムやものさしなどが飛びだしてくる。

「やめなさいよ、レンゲ!」

  止めようとしたマリモを、レンゲは信じられないくらいの力ではね飛ばす。

マリモはその場にうずくまった。レンゲはさらにいきおいづく。

「あなたはいつもそう。いい子ぶっちゃって……。」

  言いながらも、次には教科書を、コミックを、下じきを、リュックを、

手当たりしだいに投げつけてくる。

それらのものは、ことごとくパセリの頭に、顔に、背中に当たった、

  あとずさりをしていたパセリの背中が窓のサッシに当たった。

もうあとには下がれない。パセリはそのまましゃがみこむ。










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「全員、ラピスラズリは持ったな。」

  青龍湖に着き、モグラたちが土をほりはじめる寸前に、おじいちゃんが確認する。

「なにかあったら、おたがいにラピスラズリで連絡を取りあうようにな。」

「はいっ。」

  みんなはいっせいに答えた。ミントは、さっそくラピスラズリに声をかける。

「わたくし、ミントよー。みんな、元気でいらっしゃるかしらーん?」

  ウメ子がしかめっつらで、クリスティアーノにささやく。

『なんや、うるさそうやなあ。雑音になるんとちゃう?』

『ウメ子とどっこどっこいよ。』

  クリスティアーノは答え、総勢四十二匹になったモグラたちに声をかける。

『では、みなさま、始めましょう!』

『おーーー!!』

  モグラたちはいっせいに声をあげ、穴をほりはじめる。

さすがに大勢だから、ものすごい速さだ。


「よろしく頼むぜ。おれたちは君たちの合図を待って出かけるから。」

  光矢がモグラたちに言った。

『まかしときはなれー。』

  すでにできはじめている穴の中から、ウメ子のいせいのいい声が返ってきた。

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主人公パセリを守る、5種類の星をもつ動物たちは、spl.gif
『パセリ伝説』にとって欠かせない存在。

かわいいウェルシュコーギー犬「ラビ」、
ペガサスのような美しい馬「デューク」、
ちっちゃな子ギツネ「五左衛門」もいれば、
口は達者な鳥「チョポン」もいます。
さらには、読者のみんなのアイディアから生まれた、
関西弁でしゃべる「ウメ子」と、やたらに名前の長い
「クラル・レオポルト・クリスティアーノ・ジョアンニ・
サブリナ」という2匹のモグラたち。

それぞれのちがいがおもしろい、ゆかいで楽しい
パセリの仲間--「星をもつ動物たち」の番外編は、
ホームページ限定! 
『パセリ伝説』本編には書かれていないから、
パセリファン必読!! さっそく、読んでみてね!



ごんざえもん物語
チョポン物語
 ウメ子物語

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☆ウメ子物語は、前編・後編に分かれているよ!
前編をまだ読んでいない人は、このページを下に下がると前編があるから、
そちらから読んでみてね~!





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「クラル・レオポルト・クリスティアーノ・ジョアンニ・サブリナ・・・」
 オカンは町内会長からわたされた手紙に書かれた名前を読みながら、
何度も舌をかみそうになった。
「なんやねん、それ・・・」
 ウメ子はどでっと寝転がって、草餅をほおばりながら言う。
「そやから、もう半分の星を持ったモグラの名前や。
それにしても、えらい長い名前やなあ。覚えられへんわ」
 オカンは何度も手紙の文字に目をやった。
そして、ゴッホンと咳をすると、いよいよウメ子をその気にさせる作戦を開始する。
「とにかくウメ子、ぼやぼやしてられへんで。
このクラル・レオ・・・、レオ・・・、レオポルト・クリス・・・、クリスティアーノ・・・、
ええい、めんどうや。つまりやな、このクラルどうしたこうしたはやな、
ウメ子と同じ日に生まれて、同い年だっちゅうのに、えらいかしこうて、
運動神経ばつぐんな上、よう気がつく。おまけにスマートで美人だっちゅう話やで」
「それがどないしたん? そのクラ・・・、クラ・・・、なんちゃらアーノっちゅう子が
かしこいからっちゅうて、うちになんの関係があるんや。しっかりしてえな、オカン」
 ウメ子はあきれたように鼻で笑った。オカンは少しむっとして言い返す。
「何言うてんねん、ウメ子。関係、大ありや。なんちゅうっても、ウメ子とクラルなんちゃらはな、
二人で一つになる星を持って生まれたんやで。
言ってみれば、あんたらは姉妹か双子っちゅうてもええくらいの深ーい関係なんや。
これからは、二人そろうて、青い星を持った姫さんにおつかえするんやから」
「うちは、おつかえなんてせえへんで。青い星だか白い星だか知らんけど、
そんなん勝手に決めんといてほしいわ。うちの人生はうちのもんやで」umeko03.gif
「そうか・・・。そういうことかいな。ようわかった・・・」
 オカンはいやみっぽく言った。そばでオトンがはらはらして聞いている。
「何がわかったんや」
 ウメ子は少し不安げな表情になる。
「いやいや、まあ、どうでもええことやけど、
これからはクラルなんちゃらがモグラ界のプリンセス、
モグラ界のアイドル、モグラ界の永遠のヒロインとなるんやなあって思うただけや」
「どういうことやねん、オカン。青い星を持った人におつかえしたら、
それだけでモグラ界のプリンセスになれるっちゅうこと?」
「そういうこっちゃ。そらもう、ぎょうさん、青い星を持った人の伝説やら言い伝えが残ってるくらいからな。
その人におつかえするモグラが、モグラ界のヒロインにならんで、
誰がなるんや。あんたをいじめたキクオなんぞ、すぐさまひれふすで」
「ほんまか?」
 ウメ子は身を乗り出してきた。
「ほんまや、ほんまや。あんたさえその気になれば、キクオどころか、
この宇宙中のモグラがひれふすっちゅうもんや。なあ、オトン」
 オカンはオトンに目くばせをした。
「そ、そや。オカンの言うとおりやで。
ウメなら、さぞ、クラクラなんとか以上のヒロインになるで。決まりや!」
 オトンもこぶしをにぎりしめる。
「うち・・・、やるで。クラルなんちゃらアーノには負けへんで!」
 ウメ子は丸太のような体をふるわせて言った。



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「ひえーー! 無理や無理や!むちゃくちゃや!」
 修行が始まると、ウメ子はなんども悲鳴をあげる。
 まずはダイエットのために、腹筋100回、鉄棒でケンスイを三十回、平均台歩き100往復。
 おまけに食事の量はぐんと減らされ、おやつは禁止。
「オトンもオカンも、うちを殺す気か!」
 わめくウメ子に、オカンはにやりとする。
「あんたがいやなら、やめてもええで。オトンもオカンもちーっともかまへん。
ただなあ、今ごろクラルなんちゃらは、もう特訓してるっちゅうことやけどなあ。
まあ、ウメ子には無理かもしれんな」
「クラルなんちゃらアーノなんて、うちはもうどうでもええ。
こんなにしんどい思いをするくらいなら、モグラ界のプリンセスなんかにならんでもええわ」

 ウメ子ははあとため息をつき、その場にへたりこんだ。

そのとき、向こうからキクオを中心としたいじめっこグループの、
ハスノスケ、ツツジノジョウ、モモタロウなどが近づいてきた。
「おい、ハンパモンのウメ子、ちょっと見んあいだに、えらいデブになったやん」
 すぐさまキクオがからかう。モモタロウが続けた。
「デブになったら、前よりブスになったんとちゃうか?」
「やーい、やーい、デブでブスのハンパモーン!」
 ハスノスケとツツジノジョウがひやかした。助け舟を出そうとしたオトンを、オカンが引き止める。
「まあ、ウメ子がどうするか、しっかり見てまひょ」
 オカンがこっそりオトンにささやいたとき、
「うちは、ハンパモンとちゃうで!」
 へたりこんでいたウメ子が、むっくりと起き上がった。
「うちにはな、もう半分の星を持つ、えらい美人で頭のええ相棒(あいぼう)がおったんや。
その子はなあ、今ごろ宇宙で修行してんねん。うちも今、修行中や。
二人が合体したらな、えらいことになるんやで。
うちら、今にモグラ界のプリンセスになるさかいに、見とってや」

「ふんっ。うそつくんやないで、ウメ子。おまえがプリンセスなら、モグラ界は全滅やーー」
 キクオがせせら笑うと、ほかの三人もにやにやしながら、
「デブでブスの、ハンパモンがよう言うわ」
 と歌を歌うように言った。
「うそやない。うそやないもん・・・」
 涙をこぼさないように、ぐっとこぶしをにぎりしめてウメ子は答えた。
 キクオたちが去っていくと、ウメ子はすぐに鉄棒にぶら下がった。
「一・・・、二・・・、三・・・、四・・・」
 ウメ子は自分で回数を数えながら、汗まみれになってくりかえす。
「あっ、ああーー!」umeko04.gif
 鉄棒から手がすべり落ちる。ウメ子は地面にどしんと落ちた。
けれど、すぐに立ち上がり、ふたたび鉄棒に飛びついていく。
「一・・・、二・・・、三・・・」
 重い体が鉄棒にぶらさがった姿は、
市場につるされたブタの丸焼きみたいだったが、
オトンとオカンは涙ぐみながら見守っていた。


 こうして三日が過ぎ、一週間が過ぎ、一ヶ月になろうとしていたころには、
ユリオをはじめとする大勢のイトコやハトコたちも集まり、
ウメ子の修行を応援するようになっていた。
「がんばれー、ウメ子!」
「やったー、100回だっ!」
 ウメ子は少しずつやせていき、そのぶん動きも軽やかになり、
腹筋100回も、ケンスイ三十回も、平均台の100往復もこなせるようになっていた。
「ようやった。ウメ子、えらいぞ! ほんなら次は、あそこに見える梅の木から、
向こうの桜の木まで、地面を掘ってみ」
 オトンが新たな課題を与えた。ざっと見ても、その距離は一キロ近くはある。
 ウメ子は内心げんなりしたが、目標を達成する喜びを思い出した。
ウメ子はそもそも、生まれてから一度も目標を持つとか、目標に向かってチャレンジするとか、
そうしたことを考えることさえなかったのだ。
「よっしゃ、オトン。やったるで!」
 ウメ子は背中をしゃきんと伸ばして言うと、梅の木の下の地面を掘り始める。
 それはただただ土を掘り続けるだけの、単調で疲れるだけの作業だった。
 途中、何度も、ウメ子は、「あほくさ!」とつぶやき、よほど引き返そうかと思った。
「そやけど、ここで引き返したら、今までの努力が水のあわや・・・」
 ウメ子はそのたびに思い直し、また必死に掘り進めていく。
進むほどに、大きな石が現れて行く先をふさいだり、
太い木の根が網(あ
み)のようにはりめぐらされて、ウメ子自身がからまりそうにもなった。
そのたびに涙が出そうになったし、ときには気絶しそうになった。
「もういやや。なんでこんなにえらい目にあわなならんの・・・」
 何度かあきらめかけもした。
「けどなあ、クラルなんちゃらアーノもがんばってるんやもんなあ。
ここであきらめたら、おしまいやな」

 そう自分に言い聞かせて、ウメ子はまた掘り進めた。

 朝の九時すぎから掘り始めたウメ子が、ようやく桜の木の下の地面から、
真っ黒になった顔を出したのは、午後の三時近くになっていた。
かれこれ六時間近くも掘り続けていたことになる。
「やったぜ、ウメ子!」
 ユリオが叫ぶと、イトコやハトコたちもいっせいに飛び上がって喜ぶ。
「えらいで、ウメよ。ようがんばったな。ほんまにえらい!」
 オトンが涙で顔をくしゃくしゃにしながら言い、ウメ子を地面から引っ張りあげる。
「ウメ子、オカンもあんたには負けたで。ほんま、ようがんばったなあ」
 オカンはウメ子の頭をなでながらやさしく言うと、草餅とお茶をわたした。
「ありがとうなあ・・・」
 ウメ子は珍しく素直に言うと、草餅にかぶりつく。すると――
「すごいやん・・・」
 イトコたちの後ろにいたキクオが現れ、ぼそっと言った。
「ほんまや。ウメ子以外のだれも、こんなことやりのけたもんはおらん」
 モモタロウもまじめな顔で言う。ツツジノジョウやハスノスケも、
「もしもウメ子がモグラ界のプリンセスになったら、家来(けらい)にしてや」
ともじもじしながら言った。
「まかしといて。今すぐにでも、家来にしたるで」
 ウメ子が得意げに答えたので、みんなは大笑いをした。


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こうしてウメ子の修行は続き、冬が近づいてきたころ、ウメ子に声が聞こえてきた。
「ウメ子? ウメ子?」
「は、はいな・・・」
 テレパシーを受けることなど初めてだったウメ子は、あせって答える。
「わたし、クラル・レオポルト・クリスティアーノ・ジョアンニ・サブリナ」
「はあ・・・、あんさんが・・・」
「そうよ。わたし、とうとう地球にやってきたの。
青き星を持ったパセリ様はもう一年も前から、北海道にいらしてたんですって。
わたし、ちっとも知らなくて、遅くなってごめんなさい」
「あの・・・、クラルなんちゃらアーノ、えーと、なんちゃらかんちゃら・・・」
 ウメ子が舌をかみながら言うと、笑い声のあとに、
「クリスティアーノでいいわ」
という返事が返ってきた。
「あの、それで今、どこにおるねん?」
「北海道です。でも、どうもパセリ様はどこかにお発ちになったみたいなの。
困ったわ。ウメ子もすぐに来てちょうだい」
 クリスティアーノはてきぱきと言った。
「す、すぐにって言われても、うち、北海道がどこにあるかも知らんし、
どうやって行けばええのかもわからへん」

 ウメ子は完全にクリスティアーノに圧倒されている。
「調べるのよ!」
 クリスティアーノは声を大きくして言った。
「はっ?」
「地図とか、ガイドブックとか持ってないの?」
「なんやねん、それ」
「しっかりして、ウメ子。もしかしたらパセリ様には今、危険なことが起こってるのかも
しれないわ。こんなときこそお役に立たなければ・・・」
「と言われても・・・」
 ウメ子はたじたじになっている。
「とにかく一週間以内に北海道に来てちょうだい。わたしがテレパシーで案内するから、
心配しないで。いいわね」
 クリスティアーノは言うと、一方的にテレパシーは途絶えた。
「北海道? 地図? ガイドブック? 一週間以内? テレパシー? 」
 ウメ子は首をひねりながらつぶやくと、大声をあげた。
「なんのこっちゃ、さっぱりわからへーーん!」


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パセリ伝説番外編、第三弾、ウメ子物語はどうだったかな?

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